研究内容

花成制御機構

果樹の実生は,発芽後一定の年数(幼木相)を経ないと着花せず,成木相に達してはじめて安定的に花芽を着生するようになります.果樹の幼若期間は長く,交雑育種の効率化を阻む障壁です.カンキツのなかでグレープフルーツなどのブンタン類は播種後1年未満の実生が低温に遭遇するとその頂端に着花する性質(幼樹開花性)をもつことが知られています.また,ほとんどの落葉果樹が1年に1回開花する性質をもつなかで,ブルーベリーなど一部の果樹は1年に2回あるいは不時的に開花する性質をもつものがあります.これらの果樹素材を用いて果樹の花成制御機構の解明に挑んでいます.

参考資料

  • Esumi, T., Y. Kitamura, C. Hagihara, H. Yamane, and R. Tao. 2010. Identification of a TFL1 ortholog in Japanese apricot (Prunus mume Sieb et Zucc.). Scientia Hort. 125: 608-616.